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2009年3月 3日 (火)

よくわかる農業(農協)問題

畑を借りて、自家で食べる野菜などを作るようになって、“農業”への関心も高まりました。
食の安全、食料自給率低下、担い手の高齢化、耕作放棄地の増加、……。日本の農業や農政には問題があると感じながらも、どこの何が問題なのか、はたして解決策はあるのか、よくわからずにいました。

山下一仁著『農協の大罪』(宝島社新書,2009.1)は、私の疑問に明快に答えてくれました。
タイトルは刺激的ですが、問題の所在を冷静に解説し、解決への道を示しています。

目次は次のとおりです。
第1章 「汚染米横流し事件」の背景
第2章 保護なしでは「GDPゼロ%」の日本農業
第3章 誰が日本の農業を衰退させたのか?
第4章 農協の台頭と「大罪」
第5章 農政トライアングルとは何か?
第6章 農協、農林族議員、農水省の「壁」
第7章 揺らぐ農協
第8章 農政が脅かす「食料安全保障」
終章 強い農業を築くためにするべきこと

まず第1章では、減反や高関税によって高米価を維持しようとしてきた戦後農政の矛盾が、汚染米発生の根本原因であることが示されます。

農業基本法(1961年制定)がめざした“構造改革”は行われず、需給を無視した“米価引き上げ”が繰り返され、消費が減少すると高米価維持のため“減反”政策がとられて農地を荒廃させ、農地法も農地を守る役割をはたしませんでした。「農業を振興するはずだった政策・制度・組織が、農業の衰退を招いた」のです。(第3章)

なぜ、農業の発展や国民への食料の安定供給という本来の目的に反するような政策がとられてきたのか。そこには、巨大化し、自らの利益や組織維持を優先する“農協”の存在があり(第4章)、農村は農協によって組織化され、これに自民党や農水省も依存するという“農政トライアングル”があります(第5章・第6章)。

「壁」は大きく立ちはだかっていますが、変化の兆しもないわけではありません。(第7章)

どうすればいいのか。「減反をやめて主業農家に補助金の直接支払いを」というのが著者の10年来の主張です。国際市場を視野において「縮小から拡大に転ずるべき」とも提言しています。(終章)

日本農業がおかれた状況の分析は納得できるものだし、提案も的を射たものだと思います。異論もあるでしょうし、利害が絡んで実現は困難かもしれません。しかし、このままでは日本の農業は滅んでしまうでしょう。

目先の利益に走らず日本の将来を見据えた「国民・農業者のための農政」が求められています。

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コメント

農業問題を素人なのでカンタンに書くしかので、暇があったらホームページを見てください。

投稿: かかし | 2009年6月 2日 (火) 03時47分

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